再会からそれは始まった。
花が連れてきてくれた中華屋は、アメフトをやっていた高校生の頃、チームメイト達と通っていた食堂を思い出させた。

正直、こういうところは最近ご無沙汰で、懐かしくなる。

スーツを着ているちょっと場違いな俺とTシャツGパンにパーカーを羽織った花とのちぐはぐなカップルは、他の客や店員の興味を引くらしい。

花は、全くそんなことは気にせずに店に入っていく。
まあ、別にいいか。俺は、もっとネクタイを緩めて。
「さあ、食うぞ。」

花は、いつものあのぱあっとした笑顔で、
「うん。食え食え。」
と、俺の背中をポンポンと叩く。

ああ、こうやって花は誰とでもスキンシップをする。
俺だけが、少しドギマギしてる事も知らずに。

向かい合って座る。
「ああ、飲みてえな。」
「あ、そか車か。。。。」

「………。」
「泊まってく?」

俺は唖然として花を見る。
「お前、そういう事誰にでも言うのか?」
「まさか。南くんなら大丈夫でしょ。」
「大丈夫って何がだよ?」
「昔っから知ってるし、私の事女と思ってないでしょ?ていうか女嫌いはまだ治んないの?」
「女は昔っから大好きですけど。」
「ええ!!!そうなの!?ホモ疑惑があったくらいなのに。」
「なんだそれは?」
「高校の時の南くんの噂。」
「………やっぱ飲む。おじさん、瓶ビール二本。」
「え?飲むの?」
「証明してやろーか?今夜。」
「え?」
「ばーか。冗談だよ。」
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