再会からそれは始まった。
あれは、一体何だったんだろう????
あのキスは。
ふと気がつくとボンヤリしてしまって、新崎所長に睨まれる。
ヤバイヤバイ。仕事仕事。
今日は、もう2度ほど凡ミスしてしまった。
「お前は、もうあの入稿で燃え尽きてしまったのか?」
新崎所長は、大きなマックの画面から頭をひょっこり出して、私を叱る。
「は!いえいえ。まだまだ。」
「まあ、徹夜して大変だったとは思うけどさ。昨日、休んだろ?南さんから直々に連絡が来るなんてホントにみっともない事してくれるな。」
呆れた声で、肘をついて言う。
「え!あ、なんて連絡が?」
そ、そうだった。 私はギクリとして、新崎所長を見やる。
「徹夜で疲れ果てて眠りこんでるからこのままここで休んでいくって。どこでも眠れる特技はすごいと思うが、いくらなんでも南さんの事務所で堂々と眠りこけるこたあないだろ?」
「すみません。」
いや本人の部屋に行ったなんて言えないよね。
そうだ。あのキレイな秘書さんに傘も返しに行かないと。
そのついでに、もう一回会えないかな。
やっぱり昨日のアレをいったいなんだったのか確認しないと落ち着かない。
「おーい!こら、人の話聞いてんのか?!」
「ふあい!すんません!!!」