再会からそれは始まった。


秘書 松山 SIDE


南さんの同級生というその彼女は、私からも好感が持てた。
サバサバして、正直な物言い、どこか外国の血が少し入っているようなエキセントリックな雰囲気。デザイナーというだけあって、センスのあるさりげない着こなしが、また彼女の魅力を引き立てている。
ブランドものや高級なもので固めている女性たちとは違う。
南さんの周りにいるタイプの女性たちとは異質で、私は彼女に興味がわいた。

高校生の頃の南さんを知っているなんて羨ましい。
いったい、どんな高校生だったのかしら。

そして、学生の頃って、こんな風に全く違うタイプの人間が机を並べて一緒に勉強しているのよね。


本当は私に傘を返すのが名目で、実は南さんに会いたかったというような隠しもしない正直な態度に、微笑ましいと思ってしまう。
もうちょっと話ができたらな、と思い、私は彼女を呼び止めた。







< 38 / 133 >

この作品をシェア

pagetop