再会からそれは始まった。
秘書 松山 SIDE
私は、なんでここにいるんだろう? まだ2回しか会ったことのない娘と、なんでこんなお店に入ってしまったんだろう。
そう思いながらも、彼女が言うとおり確かに美味しい焼き鳥。
こんなの何年ぶりかしら。
学生の頃は、お金がなかったしこういうところでデートしたりもしたな、、と懐かしく思い出す。
確かに、美味しい。
親父の集まるところに名店ありというのは、あながち間違っていない。
しかもコスパも良い。
一つ一つの鶏肉もこれは何グラムかしら? この値段で採算合うの?
妙になんでも仕事にからませて考えてしまう。
そういえば、磯崎花は、南さんと同い年だから、28。
私よりも5つ下ってことね。
全然、見えないわ。22くらいの新卒かと勘違いするわ。
しかも、さっき顔を拭いたおしぼりにはファンデーションの跡もついておらず、これでスッピンという事にビックリした。
薄く頰にそばかすがあるけれども、肌自体は透明感があって、それが彼女の魅力を引き立てていた。
フランスのあのボーイッシュな女優、、、なんだっけ名前? あの女優に似たようなユニセックスな魅力。
ちょっとした敗北感。そんな徹夜ばっかりの仕事なのに、どうしてそんな綺麗な肌でいられるのかしら。
南さんが彼女と再会した時、言っていた。
「お前は全然変わらないな。」
きっとそうなんだろうな、と思ってちょっとおかしくなる。
そうだ聞いてみたかったんだ。
「ねえ、南さんってどんな高校生だったの?」