再会からそれは始まった。
松山さんは、多くは語らなかったけれど、南君が今は相当な女たらしだという事は、十分に理解できた。
まあ、確かに3高(って死語?)をクリアしているどころか、あんなゴージャスな部屋に住んで、ヘリコプターで移動する大金持ちの社長なんだから玉の輿にのりたい人はたくさんいるに違いない。
イケメンか?と言われると、今の時代は金沢君みたいな色白美男子の方が人気なのかもしれないけれど、強い大きな熊さんみたいな雰囲気は、頼りがいがあって包容力もありそうにみえる。
みんなあの威圧感に圧倒されてしまうけど、よく見るとかわいい目をしているし大きな鼻も鼻筋が通っていて、整った顔立ちをしていると思う。
あの仕事をしている時の鋭い目つきも何倍増しかでハンサムに見えるし、服装もアメリカ仕込みの高級スーツをパリッと着こなし、昔の学ラン姿のむさ苦しい体育会系の男子イメージとはほど遠く清潔感がある。
納得。 あれは、モテるかも。
しかし、じゃああのキスはなんだったんだろう?
ただの冷やかし?
その女たらしゆえの行動だったら、けしからん。
だいたい女だったら誰でもいいんかい!
だんだんと腹が立ってきた。
私は、惑わされたりしないんだから。