再会からそれは始まった。
「花さん、この僕にその花さんの元気を分けてください。」
ラインにそんなメッセージが入っていてびっくりする。
どうしたんだあの金沢君。
いつもは、淡々と腰低めに私にいつの間にか強引に仕事を押し付ける彼が、なんだか弱音をはいている。
もうあらかた私たちの仕事のやり取りは済んでいたので、何か別方面で行き詰まっているとは思うんだけど、私はすぐに電話をかける。
「花さん。会いたいです。相談にのってください。」
「なんじゃい。それは。。もしかして、ケツカッチンの仕事を私にムチャブリするんじゃ。」
「そんなんじゃないですよ。今になって、花さんにいろいろ無理を言ってたなぁって反省です。」
「ようやっとわかったかい。君は。」
「あのボス恐ろしいっすね。まさにどんでん返し。」
「今さら身体で理解してるんかい! なんかあったの?」
「まあ、、、でも、話聞いてもらってスッキリしました。がんばります。」
「昼、中間地点でランチする? 今日は比較的時間自由だから合わせられるよ。」
「うわ、お願いします! じゃ、花さんの奢りで。」
「高収入のリーマンになんで私が奢らなきゃならんの。」
「気分的に慰められたいんで。」
「あ、なんか今カチンときた。」
「嘘ですって。僕がいくらでも奢りますって。」
「割り勘でヨシとしよう。うん。」
私たちは、そう約束して電話を切った。