再会からそれは始まった。


「こんにちは。磯崎花です。お借りしていた服どうしましょう?お返ししたいんですが。」

思いついたように、突然今頃そんなメールが花から届いていた。

俺は少し考えて、
「ここに電話してこい。いつでもいい。」
と携帯番号も一緒に打ち、送信ボタンを押す。

金沢からのメールもさっそく来ている。
パーティーのプランが添付されていて、ザッと確認する。
へえ。うまくまとまっているし、アイデアも悪くない。 何より仕事が早いな。
俺は、内線番号表を出して、金沢に内線電話をかける。

「はい。金沢でーす。」
「南だ。」
ガタンっと机から立つ音がして、急に声色が変わる。
「え!!あ!はい! プラン、確認していただけましたでしょうか?!」
俺は、笑いをこらえて続ける。
まあ、俺から直々に内線がかかってくるなんて思っていなかったんだろう。

「これでいい。進めてほしい。営業部からも誰か担当つけた方がいいな?」

「はい。その方が助かります。個人的に営業の者に声かけようとは思ってたんですが。」

「わかった。第1から第3まで1人ずつ担当をつけよう。」

「ありがとうございます。」

「なかなかいいアイデアだね。」

「あ、それはその、、、、磯崎さんの意見です。」

「磯崎花?」
俺は、その名前が出てきて、話しながらPCをスクロールしていた手を止める。

「はい。ちょっと相談にのってもらったら、そんな話が出まして。」

俺は少し笑って、
「黙っておけば自分に手柄になったものを」

「あ!」

「でもまあ、細かい予算組みやその他は君の資料だろ?
よくできているし、早い。この後も頼むよ。何かあったら報告する事。」

「ありがとうございます!」

二人は、仲良いんだな。
自分たちの仕事以外でもそうやって、いろいろ相談してるのか。


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