再会からそれは始まった。
忙しくて、あれから花には連絡をしなかった。
それを言い訳にしているだけで、どうしたもんかと考えあぐねているうちに、登録した番号にタッチできなかっただけだ。
そして、オープニングセレモニー当日。
俺は、いくつかのメディア取材を受け、そのあとはもう下には降りず、社長室で一人、パーティー会場から拝借してきたワインを一本あける。
下に行けば、花も来ているに違いないが、こういう公の場で会って、どういう顔をして良いものかわからない。
今日は、みんなに楽しんでもらえればいい。
携帯に、アメリカからの着信がある。
スティーヴンからだ。
《よう。一徹。今日がオープンだろ?》
《はい。》
この間の件、考えてくれたか?
それより、お身体の具合はどうですか?
もうだいぶいいよ。
とりあえず、こっちがオープンしたので近いうちに伺います。
返事はその時に、聞けるかな?
・・・・・・・・。
まあいい。今日はパーティーなんじゃないのか?
またお前は抜け出しているんだろう?
お前は、苦手だからなぁああいう場。
女に色目使われて面倒だから。
ステーヴンは豪快に笑っている。
会えるのを楽しみに待っているよ。
サラもイッテツに早く会いたいと言っている。
・・・・・・・・・。