再会からそれは始まった。


パーティーは無事盛況で終わったと金沢と松山から報告のメールが来たのは22時過ぎ。

撤収作業を今やっているらしい。


「ご苦労さん。ありがとう。」

そう2人にメッセージをして、そのまま携帯をしまわず少し迷ってから、花の電話番号を検索する。

「はい。もしもし?」

ガヤガヤと周りの騒音がやかましい。

「……………。」

「もしもーし!」

俺の番号、こいつ登録してないだろ。誰が電話してるのかわかってないもんな。

「今、どこにいる?」

「え?!」

「随分とやかましいけど、どこにいる?」

「えっと、地下鉄の駅の近くの焼き鳥屋さん。みんなで二次会やってます。」
花はちょっと離れたところに移動したのか、騒々しい音は無くなった。

「………………。」

「南君?だよね?」

だよねじゃねえだろうが。

「……………。」

「今日はありがとう。楽しかったよ。南君に会えると思ってたんだけど、会えなかった。」

「ああ。」
少し、こいつ酔っ払ってるだろ。

「あそこにいた?」

「いや。」

「なんで?一番オープンを大切に思ってたのは南君じゃないの?」

「……………。」

「……………。」

しばらく沈黙の後、俺は聞く。
「今、誰と一緒?」

「新崎所長とか事務所の人たちと。あとよくわかんないけど、さっきのパーティーで仲良くなったサラリーマンの人たちやOLさんたちと。
あ、後から金沢君と松山さんも来ますよ。南君も今大丈夫なら来なよ!」

俺は、めまいがする。
その訳のわからないメンバーはなんだっていうんだ。花の影響に違いない。

「お前は、そこ抜けて、もう一度こっちに戻って来い。」

「え!なんで?」

「いいから。B.Cの下に着いたら電話しろ。」

俺は一方的に電話を切った。

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