再会からそれは始まった。
席に戻ると、新崎所長がおいでおいでと手招きする。

「誰から電話?彼氏か?」
この人、酔っ払うとすぐその会話。

「違います。」

「ふうううううん。つまんないねー。」

「………………。」
あの命令口調。 
そのまま言う通り、ホイホイと戻るのも気に食わない。
松山さんの忠告も思い出す。
やめた方がいいのかも。

でも、今日は会えると思っていた。
本当は・・・・、会いたい。

このモヤモヤのままでいいのか?磯崎花。

ガタっと席を立つ。
やっぱり行こう。

「んん?どうした?」
新崎所長が、ほろ酔いの目で私を見上げる。

「ちょっと落とし前をつけに行ってきます。」

「???? ん? 落とし物?」

気が付いたら、私は、B.C.square Tokyoに向かって走っていた。

途中で、金沢君と松山さんとすれ違ったことも気が付かずに。





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