再会からそれは始まった。

金沢 SIDE

まったく、新崎デザイン事務所の面々は、なんでこの昼間っからビアガーデンで飲んでいるんだ?!
クレイジーだろ!この人たち!

「いやあ、そのね、事務所のエアコンが壊れちゃって仕事になんないからさ。」
とのんきに新崎所長がほんのり赤い顔で言う。

「どう?金沢ちゃんも一緒に。」
冷たく冷えたビールのジョッキを目の前に差し出されて、喉がゴクリとなる。
こっちだって、暑い中歩いてきたんだこのやろー!
新崎所長に殺意を覚える。

その横に、花さんがいた。
「よう。久しぶり。」と笑顔で、手を挙げてくれる。

キャミソールにホットパンツにサンダル。
頭がくらくらする。 花さん、その恰好は反則です。 
手のひらにおさまるくらいのその小さめの胸も好みっす。 
脚もすらっとしていて、それも俺の好みっす。

思いとは裏腹に皮肉を言ってやる。
「それ、社会人がする恰好っすか?」

「だって、地獄のように暑かったんだよ。事務所の中。ここ数日、この格好じゃないとやってられなかったの。」

新崎所長がにやにやしながら僕の肩をたたく。
「今日は、定時にに切り上げて早くおいで。 まだここにいるから。な。」

「ええ、そうしますよ。」
僕はヤケになってそう言う。

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