再会からそれは始まった。
日も暮れかけた頃には、B.C.squareのオフィスにいる会社員も降りてきて、ビアガーデンを楽しんでいる。
夏の虫の音も聞こえて良い雰囲気。
夏は好き。
でも、今年の夏も彼氏ナシで過ごすのか。つまんないな。
夏休みは、また1人で海外かな。まだ何にもプランもたててないし。
南くんとこの夏過ごせたら、楽しそうなのに。
ヘリコプターで、北海道あたりはどうでしょう? ??
なんて妄想してみる。
そんなのあり得ないあり得ない。
でも、会いたいな。
また、ビルの上を見上げてしまう。
金沢くんがやってきた。
「強引に切り上げてきたー!飲んでやるー!」
その場にいたみんなはどっと笑って金沢君にビールをついだり、席を用意したりする。
金沢君は、どかっと私の隣に座る。
「なんか花さん元気ないじゃないですか?」
「そんなことないよ。だいぶ前から飲んでるから、ちょっと酔っぱらってきちゃった。」
「どうしてましたか?花さん。忙しかった?」
「うん。そこそこかな。金沢君は?」
「うん。残ったフロアの展開が決まってね。忙しい。」
「残ったフロア?」
「ほら、謎の52階。 うちのボスや、アメリカ本社の社長や有人たちが所有してたはずなんだけど、結局そこも売り飛ばしたみたい。」
「へえ。・・・・。」
「あ、今、ちょうどアメリカ本社のCEO御一行様が来てるんだよ。うちのボスと松山さんは毎日随行してて忙しそうだなあ。」
「そっか。」
あ、じゃあ、今、日本にはいるってことなんだ。
どおりで松山さんも最近テニスに来ないわけだ。
南くんと常に一緒にいる松山さんを羨ましく思う。
もしかしたら、彼女だって南くんの愛人候補の一人かもしれないし。
うん!ぜんぜん十分値する。私なんかより。
「花さん、今日はマジで口説いていいっすか?」