再会からそれは始まった。

 金沢SIDE

花さんは、苦笑して聞く。

「私なんかのどこがいいの?」

なんだか花さんらしくない。どうしたのかな?

「全部。」

そう全部に決まっている。
僕だって悪いけど、意外とモテるんですよ。
このビルにいろんな企業が入ってから、携帯番号を裏に書いた名刺を渡されたり、エレベーターホールで待ち伏せされたりしてるんですけど。
まあ、デートもしてみたりしたけど、やっぱり花さんといる時が一番いい。

花さんは、あはははといつものように笑って
「ありがと。 自信つくわー。」
とビールを飲む。

ほら、そうやってすぐはぐらかす。




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