再会からそれは始まった。
お盆週の最後の土曜日の朝。
私は、まだ起き上がれず、ベットでゴロゴロとしていた。
テニスも、今日はどうしようか悩んでしまう。

まだまだ残暑がキツイ。
松山さんは、夏休みの休暇は軽井沢に行くって言っていた。
一人で行くなら私も誘ってくださいよー!と言ったのに、いやよ、あなたの傷心旅行につきあうのなんてとあっさり言われてしまった。

結局、夏休みはどこへも行かず、ダラダラと無駄に過ごしちゃったな。
インターホンが鳴って、びっくりする。
誰だろ?何の気なしにドアを開ける。 

宅急便やさんが、大きな段ボールを五箱いきなり積み上げてくる。

「私、なんにもたのんでいませんけど?」
何かの詐欺にでもあっちゃった? 
あて先はうちで、送付先は、B.C.C.Square Tokyoとなっている。 

何よこれー???受け取り拒否をしようと思ったところで、スマホが鳴る。
南一徹からだ。

「花? 荷物受け取っておいて。頼む。」
「なんかすごくいっぱいあるけど?」
「これでも減らしたんだよ。」
「なんなのこれは?」
「まあ、いいからすぐそっちへ行く。」

また一方的に電話が切れた。
よくわからないまま、仕方がないので受け取りのサインをする。

中身は何? 開けるのは、まあ本人が来るまでにしよう。 
って、本人が来る?! 何しに!?

と、とりあえず片付けなくっちゃ。
そう、バタバタしていると南一徹はあきれた顔で玄関に立っていた。

「おまえ、あんなにきれいにしたのに、またこのザマか?」
彼は、シンプルな紺のポロシャツに、チノパンという休日の恰好でそこにいた。
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