再会からそれは始まった。
強引なやり方だっていうのは、わかっている。
でも、住まいの件も含めれば自分の問題はこれで解決に近づける。
一石二鳥だ。

花は、信じられないという顔で俺を見上げている。

「ここに一緒に住む?」

「ああ。」

「ご覧の通り、狭い2DKの部屋ですけど。」

「二人で住むにはちょうど良い。」

「あの部屋は?B.C.Suquareの上階の。。。。」

「来週から着工だ。あそこは全て売却した。社員で投票をしたけどな。
やっぱりお前の言った教室展開に軍配があがったよ。朝活も特に力を入れる。
ついでにすべてのレストランで朝食メニューも提供できるようにするわけだ。
いいアイデアだろ?」

「で、住まいが見つからないと?」

「時間がなかったし、俺ここ気に入ったし。」

「私、いいって言ってないし。だいたい、とりあえず上のホテルに入ればいいじゃない? 次見つかるまで。」

「次はない。」

「はあ?」

「ここで、お前と一緒に暮らしたいから。」

「なっ!」
花は、顔を真っ赤にして俺を見上げる。
「それはどういう意味ですか!?」

「別に意味はない。」

「でたー!意味なし発言。お断りします。」

俺はムッとして
「前に泊まらせてくれるって言ったろ。」

「泊まるのと一緒に暮らすのは違います。」

「よし。いろいろ同居するにあたってルールを決めよう。
えっと、家賃と生活費は・・・と。」

俺は、花を無視してさっさと話をすすめる。

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