冷徹副社長と甘やかし同棲生活
椿さんは、私に指摘されるまで気づかなかったらしい。あんなに接近して、意味ありげな発言をしたくせに。私のことをなんだと思ってるんだろう。
「私だって、れっきとした女性なんですよ」と怒りに任せて訴えると、
「歳の離れた弟がいるせいか、お前くらいの歳の子は妹のように思えてしまって」と返された。
弟のことを想っているのか、優しく笑っている。
「私は妹じゃありません! ちゃんと女性としてあつかってください」
「わかったよ」
「じゃあ、私はお風呂に入ってきます。おやすみなさい」
「……ああ、おやすみ」
まだカレーの保存は済んでいないけれど、放置してキッチンを離れた。