冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
「でも……」

「仕方ないから、特別に俺が用意してやる」と話すと、すぐにテーブルに置いてあったスマホを手に取った。耳にあてるしぐさから、誰かに電話しようとしていることはわかる。でも、こんな時間に、誰にかけているんだろう。

「もしもし、もう起きていたか? バイトに行く準備か、ちょうどよかった。葵衣(あおい)の店にある、女性用の部屋着を3セットほど持ってきてくれ。いつでもいいから、よろしくな」


 副社長の声は、びっくりするほどに優しかった。電話の相手である”葵衣さん”を大切に思っていることが伝わってくる。

 いったいどんな人なのだろう。もしかして、副社長の好きな人だったりして……?


 
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