冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
 椿さんはワインを一口飲むと、グラスをいったんテーブルに置いた。


「明日から仕事って思うと、憂鬱だよなあ」

「ぶっ……」


 突然のネガティブ発言に、びっくりしてワインを吹き出してしまった。慌ててナプキンで口元をぬぐう。


「きたないぞ」

 椿さんの冷たい視線が、イタイ。

「だって、椿さんがそんなこと言うなんて思わなかったんですもん」

「……前から思っていたが、柏木は俺を機械だと思っているのか?」

「いえ、機械とまでは」

「俺だって普通の人間だ。仕事を面倒と感じるときはあるし、苦手なものもある」

「グリーンピース、ですね」


 
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