冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「すごく美味しかったです。ごちそうさまでした」
「安定のうまさだったな。明日からは忙しくなるが、お互い頑張ろう」
「はい!」
お店を出て、一緒にエレベーターに乗って部屋に戻る。
昨日から始まったことなのに、ずっと前からこうしているような気がして不思議だ。
昨日の朝はすごく緊張していたのに、今はわりと自然体で過ごせている。
それはきっと、椿さんが私を気遣ってくれるからだと思う。常に話題を振ってくれるし、ご飯に誘ってくれたのも、英気を養わせようとしてくれたのだろう。
ふと、葵衣くんの言葉がよみがえる。
あの言葉が本当だったらいいな、なんて思いながら、椿さんの少し後ろを歩いた。