冷徹副社長と甘やかし同棲生活


 スーツとカバンを寝室においてリビングに戻ると、椿さんはネクタイを緩め、首もとのボタンを開けていた。露になった鎖骨が妙にセクシーで、この前の風呂上がり姿を思い出した。


「すぐにご飯の準備しますね。からあげを揚げるので少々お待ちください」

「まさか、揚げたてを食わせてくれるのか! 疲れも吹き飛ぶな」

からっと笑う顔を見て、待っていてよかったと心から思った。


 からあげを作り終え、二人分の食事をテーブルに並べる。


「お前もまだだったのか。待たせたな」

「いえ、勝手に待っていただけですから。さあ、熱々のうちに食べましょう」

「ああ、いただきます」


 椿さんは大きめのからあげを一口でぱくっと食べた。
「やけどに気をつけてください」と言おうとしたけれど、すでに遅し。
 
 口を手で押さえたまま、涙目になって、辛そうにしている。


 
 
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