冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
 眠い目をこすりながら、椿さんの帰りを待つ。

 椿さんは『おそくなるから先に寝ていろ』と連絡をくれたけど、帰ってきたら「ただいま」って出迎えてあげたい。もしかしたら、夜食を作ってほしいと思っているかもしれないし。

 雑誌を読みおわったらスマホのアプリで遊んだり、テレビを見たりしているうちに、日付が変わってしまった。

 さすがに帰りが遅くないか? と心配し始めていたとき、ドアのロックが解除される音がした。飼い主を待っている犬のように、すぐさま反応して玄関にダッシュする。


「おかえりなさい、椿さ――」

「ただい……ま……」


 椿さんは、家に入るや否や、その場に座り込んで眠ろうとしていた。

 どうやら相当酔っぱらっているらしい。


 
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