冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
「椿さん、こんなところで寝ちゃだめですよ」

「ああ……そうだ、な」


 よろよろと立ち上がる椿さんをとっさに支えて、ゆっくりとリビングまで誘導する。
 こんなになるまで飲むなんて、どんな接待だったのだろう。


「ふう、ありがとうな」 

 なんとかソファに座らせて、冷蔵庫からミネラルウォーターを持ってくる。

「椿さん、とりあえずお水飲んでください」

「…………」

「うそ、寝てる……?」


 そばを離れたのは数十秒ほどだったのに、そのわずかな時間で眠りについてしまった。
 こんな場所で寝てしまったら、暖かくなってきたとはいえ風邪を引いてしまう。

 
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