冷徹副社長と甘やかし同棲生活
■変わる態度
「――そんなことがあったのか」
「はい……」
私が落ち着いてきたころを見計らって、椿さんはソファまでエスコートしてくれた。
いつもは斜めに座るけど、今日は寄り添うように隣に座った。いつもより距離が近いから緊張する。少し前のことを思い出すと、余計にだ。
彼の淹れてくれたコーヒーを飲みながら、懇親会であったことを話した。
椿さんにとって面白くない内容なのは明らかだから、話してもいいのか迷ったけれど、泣いてしまった以上隠すこともできない。
「軽く受け流せばいいのに。バカだな」
バカという言葉が誉め言葉に聞こえるのは、同時に頭を撫でられたからだろうか。