冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「似た者同士?」
「うん。お兄ちゃんにお礼したいって頑張ってるところが」
どういう意味なのか、よく理解できなかった。
そんな私に気がついたのか、葵衣くんは再び口を開いた。
「僕、早くプロの画家になってお兄ちゃんに恩返ししたいんだ。すごくお世話になっているから」
彼と初めて会ったときも、同じようなことを言っていた。
あの時も不思議に思ったけど、どうして家族なのにお世話になっているって感じているのだろう?
踏み込んで質問していいのか迷ったけれど、思い切って聞いてみることにした。
「ねえ、どうして――」
「――あ、そうだ。美緒さん、夜ご飯一緒にどう? 近くにお気に入りのカフェがあるんだあ」