冷徹副社長と甘やかし同棲生活
■副社長の答え
――椿さんが帰ってきたのは、日曜日の夕方だった。
「おかえりなさい」
いつものように出迎えると、椿さんは笑顔で「ただいま」と言った。
無理して笑っているように見えるのは……気のせいじゃないと思う。
「お土産買ってきた」
「これは、おまんじゅうですか?」
「ああ。地域限定の土産だが、これと言って特徴のない味だ」
「素朴な味ってことですね。早速食べませんか? たまには緑茶を淹れますね」
椿さんは「ああ」と短く答え、ダイニングテーブルのところに座った。
ティーパックで淹れた緑茶を湯呑に注ぎ、おまんじゅうを添えて椿さんの前に置く。