冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 ロック解除ボタンを押すと、二人の姿はカメラ前から消えた。

 渡したいものがあるって、なんだろう? 美大生だから、絵だろうか。
 もしかして、“贈り物は男の子”なんてことは……さすがにないだろう。


 ほどなくして、葵衣くんと男の子が部屋にやってきた。
 男の子は、葵衣くんに負けないくらいに美形で、とてもオシャレだった。
 少し派手だけど。


「美緒さん、久しぶり!」

「久しぶり。椿さんは外出していていないよ?」

「知っているよ。実はね、今日はお兄ちゃんに頼まれてきたんだよ」


 葵衣くんは、大きな紙袋を得意げに見せた。
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