冷徹副社長と甘やかし同棲生活

 頬杖をつき、優しく微笑む副社長に目を奪われた。

 流れるように整えてある黒髪、少しつり目、すっと通った鼻。面接官がこんなにかっこいい人だったなんて、今になってはじめて気づいた。

 

 今度は違う意味で緊張するけれど、せっかく副社長にもらった挽回のチャンスを無駄にしたくはない。


「もう大丈夫ですので、もう一度最初から面接、お願い致します!」


 勢いよく立ち上がって、思いっきり頭を下げた。
 今の私にできるのは、動作のひとつひとつに思いを込めることくらいだと思ったからだ。



「ああ。では始めさせてもらう。まずは自己紹介と、自己PRを聞かせてくれ、柏木美緒さん」

「はい!」

 
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