冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「すみません、私が変なことを言ってしまったせいで」
「いや、別に構わない。鬼と思われるよりかはいい。それで、話を戻すが……結局お前は俺に何の用だったんだ?」
「ええと……私、社長に何かお礼がしたいんです」
本当は“アイドルと思っていたわけではない”と伝えたかったけど、やめておいた。
なぜか副社長は嬉しそうだし、告白と勘違いしているようにも見えなかったからだ。
「お前が気にする必要はない。なぜなら、俺はご両親に恩があるからだ」
「だからこそです! 副社長に二度も助けられたのに、私は何も返せていません」
「では、その思いを仕事にぶつけてみろ。新入社員の中で一番に独り立ちして見せろ。それが俺への恩返しと思え」