冷徹副社長と甘やかし同棲生活

「驚くことか? 住み込みで働いている家政婦はたくさんいるだろう」

「いや、そうかもしれませんけど、でも、そんな大それたこと……!」


 変な想像をしているわけではないのに、勝手に顔が熱くなってしまう。
 いたって冷静な副社長に見られていると思うと余計に焦って、ますます身体が熱くなった。


「最初に言っておくが、俺は部下に手を出すような男じゃないから安心しろ。恩人の娘ならなおさらだ」

「そ、そんな心配してたわけじゃ」

「では何に悩んでいる? もしかして、恋人がいるのか? そうであれば住み込みは難しいか」

「いや、いないですけど……」

「だろうな、もしいるならすぐに断っているはずだ。ちなみに俺も今はいないから、なんの問題もない。まあ、どうしても住み込みが嫌というなら、通ってもらっても構わないが」
< 58 / 321 >

この作品をシェア

pagetop