冷徹副社長と甘やかし同棲生活
父さんには、副社長が商店街の復興を手助けしてくれること、借金問題の解決を約束してくれたことだけ報告した。
「そうか」とか細い声でつぶやいた父さんの顔は憂いに沈んでいた。きっと、自分のことを情けないって責めていたのだろう。
「父さんのせいじゃない」って励ませばよかったのに、あの時はなぜか言葉が出てこなかった。
「母さんも心配してるけど……娘が決めたことは全力で応援するって決めてるからね。隆弘くんが優しい子ってことも知ってるし」
「父さんと母さんにだけ優しいんだよ。恩人だから」
「そんなことないと思うけどねぇ。ねえ、あの時の隆弘くんさ、似合わない服着てたと思わない?」
「そう言われれば、確かに。サングラスもかけてたよね」