冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
 副社長は浅くうなずくと、エントランスの中に入っていった。
 勝手がわからない私は、スタッフの肩にペコリと頭を下げて、彼の背中を追っていく。

 自動扉を抜けた先には、モダンな広々とした空間が広がっていた。
 フロントまであり、まるで高級ホテルのようだ。


「椿さま、おかえりなさいませ。クリーニングが届いております」

「ありがとう」

 副社長は、フロントの女性からビニールに包まれたシャツとスーツを受け取っていた。
 もしかして、クリーニングまでスタッフが対応してくれるというのか。

 到着して早々一般人との違いを見せつけられ、驚きを通り越して放心状態になってしまった。


 
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