冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「うちのマンションはこのカードが鍵だ。これがないとエレベーターにも乗れない」
「すごいセキュリティですね」
「だからといって、100%安全が保証されているわけではない。油断して施錠を忘れないように」
「了解です」
と答えつつも、こんなセキュリティ万全なところに泥棒はこないだろうと思った。
「俺の部屋は、エレベーターを降りて右に曲がった一番奥だ。部屋数は多いが、迷うことはないだろう」
「降りて右ですね。覚えました」
エレベーターを降りて、カーペットが敷かれた内廊下を歩く。
オレンジ色の照明がロマンチックな空間を創り出していた。
ホテルと間違えるほど部屋数は多く、副社長の部屋が分かりやすい場所にあってよかったと思った。