冷徹副社長と甘やかし同棲生活
それは――
「もしかして、これは全部……」
「ああ、しいて言うなら、“犯人”はこの俺だ」
――部屋は荒らされたのではなく、最初から荒れていたということ。
「探し物をしているうちに、少し散らかってしまってな」
いや、“少し”どころの騒ぎではない。
「言い訳するつもりはないが、散らかっているといっても、全ては計算された配置なんだ」
言い訳にしか聞こえないし、ただ物が乱雑に置かれているようにしか見えない。
「とにかく、この話は終わりだ。コーヒーを飲みながら今後についての話をしたい。コーヒーメーカーはキッチンにあるから、淹れてくれないか」
副社長はブラックのコーナーソファに、ゆったりと脚を組んで座っている。
足が長いから、そのポーズはとても様になっているのに、部屋が散らかっているせいで全くかっこよく見えない。