冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「副社長は午後から来るから、午後は誰とも雑談しないで、真剣に仕事に取り組まないとね。あ、もちろん質問はいつでもして」
「いろいろ教えてくださりありがとうございます、助かりました!」
「いいよお、カッシーのためだったら何でも話しちゃうから」
菅野さんは仕事ができる人なんだと思う。
ひとつ質問をしたら何倍にも膨らませて返事をくれるし、よく彼宛に電話がかかってくるから。
こういう人が先輩で運がいいのかもしれないけれど、菅野さんの軽いノリは少し苦手だ。
よく「カッシーのためなら」って言われるけれど、どんな反応をしたらいいかわからない。
「……とりあえず、私は鉄の掟を頭のなかに叩き込んでおきます」
菅野さんとの話を終わらせ、パソコンと向き合った。
ディスプレイに貼った鉄の掟の内容を目で追う。