冷徹副社長と甘やかし同棲生活
■一日目
「まさか三十分で、こんなにも見違えるとは」
「大したことはしていないですよ。物をあるべき場所に戻しただけです」
副社長は、カウンターキッチンからきれいになった室内を見渡している。
私はその隣で、コーヒーが出来上がるのを待っていた。
この芳醇な香りを嗅ぐと、心が落ち着くのはなぜだろう。
「コーヒーマシンの使い方は覚えたか?」
「はい、教えていただきありがとうございます」
掃除が終わった後、コーヒーを淹れようとしたけれど、使い方がわからなくて、結局副社長に淹れてもらった。
マシンにカプセルをはめ込み、スイッチを押すタイプで、カプセルは味ごとに色が違うらしい。