冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「すごく便利だし、箱にしまうと宝石みたいに綺麗ですね」
「宝石? 俺にはチョコレートに見えるな」
「たしかに!」
そんな他愛もない話をしているうちにコーヒーができあがった。
トレーに乗せてリビングに運び、ガラステーブルの上に置く。
副社長はテレビの正面に座り、私は彼の斜めに向かい合うように座った。
「さっそくだが、共同生活をするにあたり、いくつか話しておきたいことがある」
あらかじめテーブルに置いておいたメモ帳を開き、ペンを握った。
副社長を包む雰囲気が変わった気がした。会社にいるときのような、ピリピリとした緊張感が漂う。