俺の罪、甘い罰。
座ったまま、まるで“お姫様抱っこ”のような体勢になると、


「えっ?えっ?」


と、彼女が俺の胸元のニットを掴んで慌てていたから、


俺は右腕を彼女の体に回して抱き寄せた。



「…ごめん、嫌だった?」



『ちょっと強引だったかな』


そう思いながら謝ると、



「ううん、ちょっと驚いただけ。嫌じゃない…です…。」


そう言って彼女は、自分の体を俺の胸に預けた。




「先生、重たくないですか?」


俺を見上げて、そう問い掛けた河原に、


「…うん、ちょっとね。」


そう、いたずらっぽく答えると


「もう!下りるっ!やだーっ」


と、彼女は急にジタバタし始めた。



「ごめん、ごめん、嘘。本当に嘘。」


「やだっ!下りるっ!」


俺の脚の間で暴れる彼女を見て、



『意地悪し過ぎたかも。』



そう思いながら、俺は彼女の体をもう一度強く抱き締め直した。
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