俺の罪、甘い罰。
すると、彼女の背中が俺の胸に当たり、後ろから抱き締めるような体勢になった。



「本当に大丈夫ですか…?」


振り返って見上げる河原の表情は不安げで、


「本当に大丈夫だから。今もさっきも河原は床に座っていただろう?だから本当に平気。意地悪言ってごめんな?」


怒ったり、笑ったり、表情をコロコロ変える彼女の反応が楽しくて、つい意地悪し過ぎてしまった事を謝った。


だけど、それでも尚、心配そうに


「本当?本当は寄りかかったら息苦しい感じとかしない?」


そう言って、彼女は何度も確認してくる。


「うん、大丈夫だから。意地悪してごめん。」



『あぁ、やりすぎてしまった…。』


そう反省しながら、俺は更にぎゅっと抱き寄せて、彼女の頭に自分の頬を摺り寄せた。



「それなら、いいんだけど…。」


彼女はようやく落ち着いて、俺の胸に体を預けた。


俺は抱き締めていた右手を離すと、彼女の左手を握った。


指の1本、1本を絡ませてしっかりと握り締める。


彼女の手は温かくて柔らかかった。


そんな俺の右手に、彼女の右手が重ねられた。


俺の右手が、河原の両手で包まれるような感じだ。


彼女の温もりを感じながら、


こうして触れ合っている事が心地良かった。
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