俺の罪、甘い罰。
そして、俺達は食事をした。


彼女はオムライスとパスタ、それにサラダが盛られたプレートを注文し、幸せそうに頬張っていた。


パスタの種類は違うけれど、俺も何となく河原につられて同じものを選んだ。



彼女は、渡り蟹のトマトクリームソース。


俺は、ペスカトーレ。



楽しく食事をして店を出る頃


「やっぱり一回、着替えに帰ろうかな…。」


と、河原が着ているスーツを見ながら言った。



「俺ので良かったら何か貸すよ?」


「本当?何かありますか?」


「少し大きいかもしれないけれど、多分、着れると思う。」


そう答えると、彼女は



「じゃあ、お願いします。」


と、遠慮がちに微笑みながらペコリと頭を下げた。




昔は教師と生徒で、


少し前までは一緒に仕事をしていた仲間で、


そして今は恋人になったという俺達の関係の変化に、


少なからず、彼女も戸惑いを感じているのだと


その話し言葉や表情から察しつつ、俺達はレストランを出た。




彼女と一緒に俺のアパートに帰ると、


「どうぞ。」


俺はドアを開けて、彼女を招き入れた。



「お邪魔します…。」


はにかみながら室内に入った彼女の後に、俺も続いた。


中に入るとすぐに、俺はクローゼットから膝丈のハーフパンツとTシャツを取り出して、河原に差し出した。



「これなら多分、そんなに大きくないと思う。」


「どうもありがとう。」


ニコニコしながら俺の服を受け取った彼女に、


「そう言えば、前にもこんな事があったな。」


そう言いながら、俺は笑った。
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