俺の罪、甘い罰。
彼女から唇を離し、


「俺も着替えてくる。」


そう言って、ソファから立ち上がると、


「うん。」


彼女は恥ずかしそうに頷いて、俺のジャケットから手を離した。




本当は今すぐにでも、彼女の体温や熱っぽい息遣いを素肌で感じたいところだけど、今はやめておく。


彼女ともっと色んな話をしながら、抱き締めたり、キスをしたりするのも悪くないと思うから。


今はその時間を大切にしたい。


俺はベッドルームにあるクローゼットから、ベージュのパンツとオフホワイトの薄手のニットを取り出して着替えると、彼女が待つリビングに戻った。



リビングに入るとソファに座る河原と目が合った。


「コーヒーでも飲む?」


「うん。」


彼女が頷いたのを見届けて、俺はキッチンへと向かった。


ドリップ式のコーヒーを入れたカップを二つ持って河原の傍に戻ると、


ソファの前にある、木製のテーブルの上に置いた。



「どうもありがとう。」


ソファに座ってニコニコしている河原に、


「どう致しまして。」


そう言いながらポンポンッと頭を撫でた後、俺はソファには座らずに、床に敷かれたラグの上に座った。


それから、河原の隣にソファを背もたれにして座ると、彼女を見上げた。



「こっちにおいで。」


彼女にソファから下りて、ラグが敷いてある床に座るように誘う。


「うん。」


不思議そうにソファを下りて、俺の隣で立て膝をついた彼女に


「そこじゃなくて、こっち。」


と、河原のウエスト辺りに腕を回して、彼女の体を俺の脚の間へと引き寄せた。


「えっ?や…っ」


そんな声と共に彼女はゆっくり、ストンと俺の脚の間に座り込んだ。
< 9 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop