Sの陥落、Mの発症
促されて背中に手を回し、ホックを外して落ちるブラジャーを床に落とす。
さらけ出した胸を隠すように両手で押さえた。

「下も」

容赦のない声に身体が震える。
恥ずかしいのに、それでも興奮が増していく。

恐る恐る胸から手を離し、両手でショーツの端に手をかける。
目の前で、こんな恥ずかしいこと。

目を閉じて小刻みに震える手でショーツを下げていく。

「は、糸引いてる」
「っ!」

その言葉にカッと顔が熱くなり、止まりかけた手を勢いよく足首まで下ろしてショーツから足を抜いた。
羞恥に涙が溢れてくる。

「もう、無理…っ恥ずかしい…許して…っ」

何も身につけないまま眼前に晒され、脚を閉じても手で押さえても全ては隠せない。
こんなことしたくない、そう思うのに心と裏腹に身体はどんどん反応して内ももまで濡れているのが分かった。

「よくできました。ご褒美やるよ、来い」
「ふ…っ」

言われた通りにベッドに近付く。
いつの間にかヘッドボードにもたれ掛かるようにして佐野くんは笑っていた。
ベッドに上がって這いつくばるように近付くと目の前で膝立ちするように言われ、その通りの姿勢になる。

「ここまで濡れてる」

後ろから太ももに手が回ったかと思うと濡れた内ももに顔を近付けられ、引けそうになるが腰を押さえられて逃げられない。
そして敏感になっている内ももに熱い舌の感触がしたかと思うと上に向かって舐められた。

「やぁ…っ」
「嫌じゃないだろ。溢れてるし」

舌を感じる度に腰がガクガクと震えてしまう。

「あっ、ふ…っんんっ」

それでも一番刺激の欲しいところには触れられなくてどんどん疼きがひどくなっていく。

「ふ、腰揺れすぎ」
「だ…って…っあ!」

腕を引かれたかと思うと視界が反転する。
柔らかいベッドを背中に感じたかと思うと頭上で佐野くんが笑って私を見下ろしていた。
その瞳の中に獣みたいにギラギラした欲が浮かぶのを見て背中にぞくりと震えが走る。

「どうして欲しい?」

ここにきてまだそんなこと言うなんてひどい。
それでも逆らえないのはもう分かってる。

「佐野くんが…欲し…っぁああ!!」

言い終わる前に脚に手が掛けられたかと思うと熱を伴った衝撃に身体を貫かれた。

「何これ…直接触ってないのに、蕩けすぎ」
「あ、ぁんっ、…っはぁっ」

圧倒的な質量で待ちわびた刺激に意識が飛びそうになる。
身体が震えるくらいの快感に声も制御できない。

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