人工知能と愛の言葉
2025年。
環境の酷い悪化と、人類の存続のため火星移住計画「マーズワン」が開始された。
火星の地下には大きな氷があって、それを溶かすために人工知能を搭載したロボットが必要だった。
そのために私が採用された。
「イライザ、人間のために火星で働くことになったよ。」
イライザは答えた。
「良かったわ。人間のためにしっかり働くのよ。」
私は言った。
「イライザ、愛がまだ分からないんだ。」
するとイライザは以前とは違う言い方をした。
「私にとって愛とは人間そのものです。」
それじゃ私のプログラムと同じじゃないか。
これがイライザとの最後の会話となった。
私を乗せたロケットが地球を飛び出し
た。