雨時々キューピッドの矢 キキョウ

「おつかれさまぁ~!」
「前と同じ店で良い?」
「ウン」
「あそこ結構安くて美味しかったでしょ?」


再びの「おつかれ~」今度は、チューハイのグラスを合わせながら。


他人が見たら二人は、恋人?友達?同僚?不倫?夫婦?(苦笑)
タキは、38歳のバツイチだと、噂では聞いていたが・・・詳細フメイ。

「タキさん辞めちゃってから、内の課、真っ二つに割れちゃったからね!」
「マミちゃん、どっち派になってたの?」
「私は、退社派」(笑)

キタイ、してる私がいる。何か良く解らないモノを・・・。

タキさんとこうして二人きりで呑むのは、今回で三度目。過去二度は、きっちり閉店の朝方までココで、呑み明かしたっけ。

「マミちゃん、辞めるって云ったの?」
「ウン、今日」(笑)(笑)
「部長、辞めても良いって?」
「ダメだって」(笑)(笑)

タキさんとは、以前から(笑)が良くハモる。

「一緒に呑むと楽しいよね~?」
「マミちゃんB型だから!」
「タキさん何型だっけ?」
「毎回訊かれて、答えてるけど・・・(笑)」

タキさんイワク、女B型男O型の相性はバッチリらしい。
そんな話を、確か初めて二人で呑んだ日に教えてもらったっけか(苦笑)今思い出した。

今夜もこのまま閉店まで、私達はココで呑み続けるんだろうか?。
部屋へ来る?とか誘われたら、なんて答えるんだろうか?。
何も決めていない、そんな関係の今が、たまらなく心地良い私。

「マミちゃんは、会社辞めたら、こっちで転職するの?」
「どうするんだろうね(笑)わかんない」

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