真実の愛に気づいたとき。
私の悪評は入学当初から広まっていった。


今の時代なんてSNSの普及のせいで、人の噂は流し放題。


私は特にそんなものには興味なく、携帯に入っているアプリは連絡を取り合うためのメッセージアプリのみ。


何かを呟いたり、写真を共有するアプリは使っていない。


だけど、私が1年のときに受けていた講義中、ヒソヒソと話し声が聞こえてきたときに気づいてしまった。


私、大学の学生間で良くない噂を流されているらしい。


『過去に不倫をしていた』だの『身体を売ってお金を巻き上げ、それを生活費にしている』だの。


もちろんそのような事実は無いのだが、私の態度が周りから反感を買ってしまい、今の状況になってしまっているのではないかと思う。


「澄ました顔しちゃってさ、嫌な感じよね」


周りに目もくれず、空いていた一番前の席に一目散に歩み寄り、わざとらしくガタンと大きな音を立てて座った。


知らない人に悪口を言われるほどどうでもいいことは他にないのだけれど、ある種学校のクラスとも言えるこのゼミという組織の中で、さっそく私のポジションは危ぶまれているかもしれない。


まぁ私にとっては、単位を取るための手段に過ぎない。


…そう思うしかなかった。
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