欲望の飴と飴売り少女
「早くケーキを食べよう」
川野くんはあたし達にティッシュを渡しケーキにろうそくを刺し火をつけた。

あたしと山下は涙を拭いた。

「木原さん誕生日おめでとう!」


「ありがとう」と言いあたしは火を消した。川野くんが綺麗に切り分けお皿に乗せた。

そのケーキはとても甘く何処か昔に食べたような優しい味。あたしはこのケーキを忘れない。



この優しい味のケーキを食べれば食べるほどみぃとりんを消してしまったと罪悪感が出てくる。このままではいけない。

あたしは山下と川野くんに飴のことを伏せて話そうと思った。
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