欲望の飴と飴売り少女
「今日はあの2人一緒じゃないんだね。」
「あの2人ってみぃとりん?」
「うん」
川野くんはあたしが誰といるか見てくれているんだ。みぃとりんがいると自分が見たいものが見れない。
「1人で出かけたかったからね。」
「そうなんだ」
「川野くんこそ、こんな遠くの塾に行って大変じゃないの?塾ならこの辺にも沢山あると思うけど…」
川野くん軽く笑いしあたしに話した。
「俺は高校受験のためなんだけど、レベルが高い学校に行って有名な大学に行きたいから。」
川野くんは自分のために努力してる。あたしは飴に頼り少し自分が情けなく思えた。
「あっ、あたし、家此処だから…」
明かりが1つも付いていない真っ暗な家を指さした。
「真っ暗だけど…家に誰かいるの?」
そのことは聞かないで欲しかった。余り触れないで欲しい。