欲望の飴と飴売り少女
「だ、誰もいないけど…」


「よく、家に親いないの?」


「うん。でも1人の方が遅くまでテレビ見たりゲームしたりできるから楽しいよ。」

「そっかぁ、じゃあ…」

川野くんはそれ以上は聞かないで帰ろうとした。

「待って!川野くん、ス、スマホ持ってる?」

「持ってるけど」

「えっと〜、このトークアプリやってる?」

あたしはスマホの電源を付けアプリを開き川野くんにスマホを見せた。


「その、アプリ入れてるよ。交換する?」

「うん!」

『ピロン』
交換が完了した音が響く。やった…。あたしは心の中で飛び跳ねた。

「じゃあ、明日ね」

「木原さん気をつけてねー。」
川野くんが歩きながらあたしに手を振る。

「川野くんこそ気をつけて帰ってね!」


あたしは手を振り鍵を鞄から取り出した。



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