欲望の飴と飴売り少女
「はい。つぼみお嬢さんのお部屋に案内しましたよ。川野お坊ちゃんもこんにちは。そちらのお嬢さんも初めまして、こんにちは。 」

「こんにちは。」と川野くんは言っていたがあたしは、軽く会釈をした。


「うん!ありがとう」

山下がバカなほど元気に着物を着た女性にお礼を言って、靴を脱いだ。

「早く!木原さん行こう」


あたしは普段揃えないが靴を綺麗に並べあたしが疑問に思っていることを聞いた。

「山下さん、あの綺麗な女の人ってお姉さん?」

「お手伝いさんだよー。基本的に私の世話をしてくれるんだ!」

こいつの家やばいな。山下の行動から考えられない。
「へぇ〜山下さんがお嬢さんって言われたのは分かったけど、なんで川野くんもお坊ちゃんってよばれてるの?」

「いやー、それは」
川野くんは、バツが悪そうなな答えをする。


「たしかぁ…小学生の低学年くらいだったかな?
その頃の亮太とってもやんちゃで。
毎日泥だらけで私の家に来て、『遊ぼうぜー。』言いに来て他のお手伝いさんが
『亮太お坊ちゃま、服が汚れています‼︎あー今拭きますからねぇ』
って言ったのが原因でそこから、他のお手伝いさん達も亮太くんからお坊ちゃんって呼ばれるようになったんだよ」

山下のことは嫌いだけど、これに関してはありがたい情報だ。








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