欲望の飴と飴売り少女
「ちょ、ちょっ、二人で仲良く話してるとこ悪いけど、つぼみ、余計な事をペラペラ話すな…」


川野くんは顔を少し赤くしている。いつもと違う川野くんに私は胸が高鳴る。


「えへへ〜!もう、話っちゃったから〜」


照れた川野くん見れるのは嬉しいけど、やっぱり山下はあたしの敵だ。

あたしがそんな風に思っていると山下の部屋の前まで着いた。

「廊下長い…ね。」


「そうかなぁ?あっ、でも小学生の頃は廊下で鬼ごっことかかくれんぼしたよ!」


「あー、よくやって怒られたな」


川野くんはその事を思い出しているのか、笑っている。山下が羨ましい。あたしもその場に居たかった。

山下は部屋の扉を開けあたしを部屋に入らせる。

部屋も大きい。わたしの部屋の数倍はある。


「この部屋は和風な感じはないんだね」

今まで通った場所とは違い洋風な可愛らしい部屋だ。
「私可愛い部屋にしたかったから絨毯ひいて、畳を隠したの!」

自由なとこが山下らしい。あたしはそんな事したらお母さんに怒られる。

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