欲望の飴と飴売り少女
昨日川野くんに申し訳なく思ったが、絶対に教えてあげない。

「あたし、何もしてないよ。」

嫌味たらしく笑った。こんなに無駄に努力している岡田さんが可哀想だ。

「そ、そうなんだぁ…」


岡田さんが一瞬悔しそうなそうな顔したのが見えた。

あたしはその顔を見てさらさらとシャープペンでワークを解いた。


ワークをさらさらと解いているあたしを見てまた悔しそうな顔をしてる。

「岡田さーん。学校のワークって簡単だ
よね、 こんな簡単なら違う問題集持って来れば良かったぁ」


岡田さんは驚いた顔をして隠そうとしてるみたいだけどばればれ。


「え?そ、そうだね…」

「木原さーーん‼︎この問題わかんないよぉ!教えて」

この声は顔を見なくても分かる。まじで空気読め…山下。

「な、なんであたしが!」

咄嗟に本音が出でしまった。

「だって、亮太が…」

「あぁ!? まだ解き終わってないぞ!」




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